Warning: Invalid argument supplied for foreach() in /home/xb446356/esola-law.or.jp/public_html/wp-content/themes/massive_tcd084/functions/menu.php on line 48

遺言能力とは?その遺言無効!と言われないために。

遺言能力がない状態で作成された遺言は無効

 相続は「争続」といわれるほど、紛争になりやすいシチュエーションです。遺言は、無用な「争続」を避けるために有効な手段になりますが、遺言書の内容によっては、遺言の有効性自体が争われてしまう場合もあります。

 遺言が無効になってしまうケースは形式面を満たしていないため無効になる場合と、遺言書が偽造であるとか遺言能力がないということで無効になる場合があります。形式面については、自筆証書遺言という自筆で作成された遺言書の場合に形式面が欠けて無効になることが多く、例えば遺言書に遺言書を作成した日付が書かれていない場合には形式的要件に欠けた遺言となり無効となります(民法968条1項、960条)。

 このコラムでは、遺言が実質的に無効になる場合として紛争になりやすい「遺言能力」について解説します。

そもそも遺言能力って何だ?

 遺言能力とは、その名の通り、遺言をする能力のことをいいます。民法上は、15歳になれば遺言能力があるとされていますが(民法961条)、高齢で認知症状が進んでいる中で作成された遺言であるとか、一時的にしろ判断能力が著しく低い状況で作成された遺言などは、遺言能力のない状態で作成されたものとして無効になることがあります。

 そもそも遺言というのは、法定相続分に関わらず、遺言者(被相続人)の生前の意思を尊重して遺産を分配するものですから、遺言書により法定相続分より少ない財産しかもらえないことになった相続人からすると、「遺言がなければもっともらえたのに」という気持ちになり、遺言書自体の有効性を争いたくなることもあるでしょうし、判断能力が低い状態で書いた疑いのある遺言書は、相続人の誰かにそそのかされて書いたのではないかと思われる場合もあるでしょう。

 そういう意味で、本当に「争続」を防止する目的で遺言書を作成するためには、認定症状が進み始めてからとか、病気になってから、ではなく、健康で誰から見ても遺言能力がある状態で作成するのが一番良い方法であることは間違いありません。

 とはいえ、やはり実際に認知症状の自覚や病気になり死後を意識した段階で遺言書を作成したくなるケースもあると思います。

 この場合、遺言書作成時に遺言能力があることをできるだけ証拠として残しておくことが必要です。

15歳以上でも遺言能力が認められない場合がある。

 では、どのような証拠を残しておくべきでしょうか。まずは、遺言能力というものがどの程度の能力を示してるのか知っておくことが役に立ちます。

 先ほど述べた通り、民法上、遺言能力は15歳以上で認められます。しかし、これはある種政策的な線引きであり、実際に遺言能力があるかないかという場面ではほとんど役に立ちません。学説や裁判例においても、遺言能力=意思能力であるということ以外、全てに通じる一般的な基準というのは定められていませんが、たとえ15歳以上であったとしても、意思能力を欠く状態で作成された遺言は無効であるということに争いはありません。

 では、意思能力とは何でしょうか。意思能力は、事理弁識能力(民法7条参照)ともいわれ、自分の取った行為がどのような法的効果をもたらしうるのかを一応理解できる力のことをいいます。

 年齢でいうとおおよそ小学校高学年くらいから意思能力が認められると説明されることもありますが、大人であっても精神的な障害があるとか、認知症が巣進んでいることなどが原因で、恒常的に意思能力を欠く状態にある人もいますし、高熱で意識が朦朧としているとか、発作が起きているなど一時的に意思能力を欠いている状態ということもあり得ます。

 いずれにしても意思能力というのは明確な基準はなく、「小学校高学年程度の判断能力」という抽象的な説明から、個別具体的に判断していくしかないというわけです。

 基準が明確でないために、遺言作成時に遺言能力=意思能力があったかどうかは、争われやすいといえるかもしれません。

遺言能力があることを証拠で残せるか?

 では、遺言書作成時に遺言能力があることをできるだけ証拠として残しておくためにはどうすれば良いのか。1つは、日常的な生活の記録を映像として残しておくということが考えられます。遺言者の発言内容や挙動を撮影した記録が多いほど、遺言者の意思能力の有無は判断しやすくなるでしょう。

 また、医学的には、P E TやS P E C Tといった特殊な画像診断の方法で、脳の状態を客観的に分析することができるとされており、それらの画像所見を残しておくということも有効かもしれません。逆に、ある時点でP E TやS P E C TあるいはM R Iによって明らかに認知症が進んでいると診断されるのであれば、それ以降に作成された遺言書は意思能力のない状態で作成された可能性が高いということもできるでしょう。

 P E TはM R Iで脳萎縮起きることが分かるよりも早い段階(認知症初期段階)で認知症の兆候を捉えることができるため、P E Tでの画像診断は認知症が進行することを抑制する治療が早めにできるというメリットもあるようです。 

 その意味では、遺言書を作成するのと同時期にP E Tで脳の状態を調べるということは一石二鳥かもしれませんね。

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事 おすすめ記事
  1. 登録されている記事はございません。
  1. 弁護士法人と法律事務所の違いとは?

  2. 連れ去り勝ち?離婚に際する親権問題

  3. 【札幌地裁】同性婚を認めないのは違憲!

カテゴリー

アーカイブ

検索

TOP
TOP